LINEのスタンプ作ってみた記録 ver.2

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■やっと2つ目のスタンプをリリース

LINEのクリエイタースタンプの第2段がやっとリリースできた。
http://line.me/S/sticker/1009493

けっこう慣れたのでスタンプは前回より早く作れたけど、予想通り審査が長かった。このスタンプを作ってLINEに申請したのは6月後半。申請してから承認まで、1ヶ月半強かかった形だ。

申請されたスタンプの状況はマイページで都度確認できる。まずは申請すると、ステータスが「審査待ち」になり、数日たって「審査中」に入り、数回(3〜5回)のアップデートを経て、「承認」ステータスになると、やっとリリースボタンが押せる。

僕はスタンプを3つ作ってるんだけど、1つ目は半月くらいで発売できたが、今回は1ヶ月半かかり、残りのもう1つのスタンプは2ヶ月以上審査中という状況。

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どういう事情で時間がかかるのかは、内部の人間ではないのでわからないけれど、単純に登録されたスタンプの数が多すぎて(現時点4万個以上)対応に時間がかかるのと、スタンプのクオリティや内容によっては、確認に時間がかかるのではないかと推測している。

というのも、審査ではじかれた(リジェクト)されたスタンプをネット上でいくつか見たが、倫理的な基準がやたらと厳しいのだ。例えば少しでも性や暴力を連想させるもの、具体的にいえば、スタンプのイラストの中にお尻が出てるものや、誘惑をしているような表現があればNGだし、喧嘩を売ってるような仕草のものもNG。例えそれがネコのかわいいイラストのジョーク的な表現であろうともだ。そしてドクタースランプに出てくるようなうんちくんキャラもNG。

そういうブラックジョークをうまく使うことによって、クスっと笑わせるような表現が作れるものなんだけど(そして日本は世界的に見て、そういう表現への寛容度が異様に高い)、ここまでガチガチにされるとさすがに難しい。まあそんな中でもうまくユーモアを出しているスタンプがけっこうあって、そういうのを見るのも面白いんだけどね。

■レッドオーシャン

前回のスタンプを出したのは、ちょうどクリエイターズスタンプが始まった当初で、数もせいぜい数百個というブルーオーシャンだった。現に僕のスタンプも順位は高くなかったけど、毎日1500〜3000円くらいはコンスタントに売れていた。

しかし今は販売されているスタンプ数はついに1万個を超えてしまい、完全にレッドオーシャンになってしまった模様。毎日の売上げは数百円がやっとだ。

ただ逆に考えれば、これだけのスタンプ数がありながらも、スタンプが一つも売れない日がまだ1日もないことのほうがスゴイと思う。それだけこのスタンプ市場は需要があるんだね。スタンプを初めて作った頃は、まあ1〜2万でも売れたら御の字だなと考えていたが、その数字は1ヶ月でゆうに超え、今も売れ続けている。

■スタンプを出す意義的なもの

僕がやっているグラフィックデザイナーという職業の人間は、僕を含めて市場というものが苦手というか疎い人が多い。それは基本的に請負の形で仕事をもらい、課題やニーズを与えられて、それを満たす、もしくは解決することが主な仕事だからだろう。

ゆえに、自分で考え、作ったものを人に売る、要するに制作から販売までの全行程を自分でやるという体験は、新鮮であり、とても意義深いものだ。請負のように発注者に指示を受ける形で制作を進めるのではなく、全て自分のアイデアと技術で使ったものが売れた時の喜びは、例えひとつ100円で、もうけはわずかだとしても、とても大きく、自信にもなり、それが新たに普段の請負の仕事にも活かされるだろう。

とまあ長ったらしく文章にするまでもなく、単純に自分で作ったものが売れると超うれしい!サイコー!なので、「何かを表現したい!」という欲求が強いもの作り派の人たちにとって、スタンプのプラットホームはとても魅力的な場だと思う。

だから、前回のスタンプの記事にも書いたように、僕はまわりのデザイナーやイラストレーターには、是非ともスタンプ作りを勧めたいのだ。受ける仕事と、発信する仕事、その両輪で働くことができるようになることが、もの作りの人間にとっては理想的なんじゃないだろうか。

以上おしまい。

 

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