【アメリカメモ】自転車とヘルシーフード

「車とジャンクフードの国が、今は自転車とヘルシーフードなんて面白いね」と11年ぶりにアメリカで再会した友人と話した。

数年前からポートランドという西海岸の小さな街が話題になっていた。コンパクトシティを自転車で行き交う人々、オーガニックや地産地消、安全で健康な食事にこだわり、質素で等身大の生活を営む…。そんな新しいライフスタイルの発信源となり、今や日本でも有名になったサードウェーブコーヒーもここから生まれた。

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僕が行った場所は逆側の東海岸だったけれども、そこでも確実に変化は見て取れた。ただこれはかなり肌感覚的な印象だし、文章にするのは難しいんだけれども、エコやロハスといった気取ったムーブメントとは別の文脈の、ある種時代の流れに沿った変化のような気がする。

デジタルの普及で物を持たなくても生活できるようになったこと、そしてリーマンショックを経て行き過ぎた資本主義&大量消費といった20世紀的な過剰さから距離をとり、人々が新たな生き方や豊かさを探し始めているのが、この変化の源泉なのではないかと思う。

そんなことを考えながら、ブルックリンのブルーボトルで飲むコーヒーは美味しかった。このサードウェーブコーヒーの代表格の店内も、最低限の装飾で、後ろの倉庫部分は隠さず丸見え、カウンターの前には無骨な大きいテーブルと椅子が無造作に置いてあり、客は各々好きなように使ってくつろいだり、話したり、仕事したりしている。そこに主張というか気概のようなものを感じずにはいられない。

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今、時代は大きく舵を切ろうとしている。そんな時代の彼らなりの答え、落としどころが、11年のブランクを経て自分が感じたアメリカの姿や、ブルーボトルの店内なのではないかと、春が訪れたブルックリンを眺めながら思った。

 

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