W杯予選のシンガポール戦が20年前のアトランタオリンピックとシンクロする

この間のワールドカップ予選のシンガポール戦。5-0くらいで勝ってもおかしくなかった試合内容にも関わらず、無得点でドローという、なんともやりきれない結果で終わってしまいましたね。

ただ1996年のアトランタオリンピック初戦、日本対ブラジルの試合を見ていた人は、あれとシンクロしたりしませんでした? 僕はもう完全に、シンガポールのキーパーが当時の川口に見えてましたね。

当時を知らない人向けに書いておくと、まだ日本がアジアで勝つのも難しかったあの時代、ブラジルとの実力差はまさに今の日本とシンガポールくらいありました。

ブラジルには若き日のロナウドやロベカル、更にオーバーエイジでリバウドまで出してくる文字通り最強チームで、当然日本は防戦一方、まさに「ワンサイドゲーム」でした。ブラジルの波状攻撃をただ体を張って守ることしかできず、ブラジルのゴール前にボールを運ぶことすらできないような試合でした。

しかし28本も打たれたシュートは、キーパー川口の神懸かり的なスーパーセーブもあって、1度もゴールネットを揺らすことはありませんでした。更に日本がブラジルのゴール前に蹴り上げたボールが、ブラジルDFとキーパーのあり得ないミスで入ってしまうという、アクシデント的なゴールで日本がまさかの劇的勝利。「マイアミの奇跡」という名前通り、まさに奇跡としかいいようがない試合でした。

当時の映像がYOUTUBEにありました。

シンガポール相手にホームでドローというのは負けに等しい結果だし、得点力不足は責められるべきなんでしょうが、ブラジルですらあんな試合をしてしまうのだから、ある意味これがサッカーというスポーツの奥深さでもあるのではないか、と当時を懐かしく回想しながら思ってしまうわけです。

実はこれだけ書いておきながら、アトランタオリンピックが行われいる期間、僕はオーストラリアに滞在していて、試合をリアルタイムで見ていません。ただ珍しい結果だっただけにオーストラリアの新聞にも写真つきで載っていたことを思い出します。

あまり関係ないですが、当時買ったオーストラリアのサッカー雑誌に、小さく日本オリンピック代表の記事が載っていて、写真は当時一世を風靡していた前園。そして女子サッカーは今一世を風靡しているまだ10代だった頃の澤が載っていました。そしてあのチームにはまだA代表デビュー前の中田英寿もいましたね。前園の影であまり目立ってなかったけれど、ボールキープはすごくうまかったし、チーム内でも彼らしいエピソードがけっこうあったみたいです。

結論としては、あれからもう20年もたつのが信じられない…といったところでしょうか(おい