いい光のすすめ

フィラデルフィアに住んでいた頃に通っていたアートスクールに、僕の好きな非常階段がありました。非常階段が好きというのは少し変に思われるかもしれませんが、そこが最高に居心地がよく、クラスの合間の時間などにそこに一人で佇んでおりました。

石造りの古い壁を白く塗って、階段を取り付けただけという、無骨なスペースでしたが、年季の入った窓から差し込む光が、真っ白な壁をぼんやり照らして、そこにいると落ち着いた気持ちになれたのを思い出します。

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その建物には別にメインの階段もあったため、その階段はほとんど人が通らず、静かだったのもよかったですね。一人で階段に座りながら、光に染まる白壁を眺めていると、ここが都会のど真ん中であることも忘れてしまいそうでした。

アートスクール以外の場所でも、居心地のいい場所を探しては、そこに一人で佇んでいることが好きです。そしてその過程で、居心地の良さに光が多いに関係していることを知りました。居心地のいい場所には、確実にいい光があります。

雲の間から差し込む光に希望を感じたり、夕日を見て涙を流したり、光が人間に与える影響は何より大きいものです。それは精神のみならず、身体にも大きな影響を与えているのは間違いないでしょう。

昨今の健康ブームで、オーガニック食品とかが流行っていますが、それと同じくらい光もちゃんと選んだほうがいいんじゃないの、というのが僕の意見です。オーガニック食品は高いですが、オーガニック光はタダですからね。その上心地いい光は最高に贅沢です。その空間にいるだけで気分がよく、他には何もいらない気分になりますから。

自然光しかなかった時代の人たちは、人口的な光の下で過ごす現代人よりも幸せだったんじゃないかと、冬至の低い日差しが差し込む部屋でぼんやり思う今日この頃です。最近は寝る前にキャンドルを焚いてますが、これもまたいいですねぇ。

 

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