父親の自覚はベビー服が教えてくれた

季節外れの暖かさとなった今日、息子の冬服を買い足しに、ワイフと西松屋まで歩いていった。
息子の服を選びつつも、同じラックにかけてあるサイズの小さい服を見ると、息子もこんな時期があったなぁと懐かしく思い出したりする。

思えばちょうど9年前の今頃も、ワイフと一緒に子供服を買いにいっていた。まだ息子がワイフのお腹の中にいる頃だ。

当時は正直、ワイフの大きなお腹を見ても、まだ父親になる自覚が持てないでいた。産婦人科でお腹の中のエコー画像を見せてもらっても、感動して涙ぐむワイフの隣で、自分は妙に落ち着いちゃってるというか、どうしても実感がわかない。

そんな人生の一大イベントを前に、父親としての心構えができていない自分を心配しつつ、その日もあまり気がすすまないまま、ワイフと子供服メーカーのファミリーセール会場に行った。

会場内を少し歩いて、適当なベビー服を手に取った。黄色のベビー服だったことを覚えている。

その瞬間、いきなり沸いてきたんだよね、実感が。

この可愛いベビー服を着ている、まだ見ぬ息子の姿が鮮やかにイメージできて、急にワクワクしてきたのだ。

それからはもう、僕のほうが夢中になってしまい、服やグッズ、ベビーベッドまで、かなり考えて選んだいったことを覚えている。

僕に必要だったのは、父親的な実感や責任感ではなく、視覚的なイメージだったのかもしれない。

もしも僕のように、パートナーが妊娠しても、実感がわかなかったり、逆に不安だったりするような人(男)は、一度ベビー用品の店で服を選んで買ってみることをオススメする。

我が子をすでにお腹の中で抱いている女性と違い、頭でしかイメージできない男性が、出産前に親の自覚を持つのはなかなか難しい。それでもこれから生まれてくる子どもの服やグッズを手がかりにイメージを膨らませれば、少しはその温度差を縮められるのではないかと、自分の経験をもとに思う。

そんな息子ももう今年で9歳を迎える。服はだいぶ大きくなった。

 

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