アート一色だった土日と、コネクティングドッツの話

いつも書こうと思いつつ時間がたってしまうのだけど、今回も例に漏れず先週の日記を書こうと思う。というのもここまでアート一色だった土日はなかったので、備忘録的な役割とともに、アート活動を始めた頃を振り返って気づいたことがあったので、ここに残しておきたい。

12月16日(土)
朝の8時に福岡空港に向かい、ジェットスターで成田へ。

成田から人形町のギャラリータグボートで行われている石川美奈子さんの個展へ。前から気になっていた作品だったので、ぜひ実物を見て見たかった。ラッキーなことに代表の徳光さんと石川さんご本人が在廊しており、話を聞けた。


これ、一本一本全部手で引いてこの美しいグラデーションを作っているらしい。いやはや、この過剰な凝りようがアーティストである。過剰は素晴らしい。

 

タグボートをあとにして、友人のアーティスト小池正典氏が参加してるBLOCK HOUSETOKYO JUNCTIONを見に原宿へ。残念ながら小池くんには会えなかったけれども、現代の神道的な、日常の風景から彼が感じ取った「精霊」を具現化したような作品群は相変わらずの魅力度。作品が見たい人は彼のサイトにてぜひ。

 

その後、イルミネーションな表参道を歩いてみた。東京生まれで、表参道界隈で仕事をしていたこともあったけど、初めて見たよこのイルミネーション。もちろんきれいだけど、人が多すぎてもう十分っす。

イルミネーションを抜けて、表参道の青山スパイラルで行われている「spiral take art collection 2017 蒐集衆商」へ。ぶらっと眺めながら歩いていたら、ここでも戦友のアーティスト浅間明日美氏の作品に遭遇する。刺繍で表現されたヘタウマ系のキャラやアイテムたちは、一見ほわっとした愛嬌があるように見えつつ、実はレイアウトやフレーミングが絶妙で、「明日美〜お主やるな…」と毎回思わせる。

 

その後スパイラル最上階のラウンジアンクルハットで、日本の有名なアートコレクターの集い「ワンピース倶楽部」主催の石鍋博子さんの忘年会へ。

見よ、このハイソでオサレな空間を。

展示を手伝いつつ、アーティストのショウジョノトモさんや中村直子さんたちと意気投合して、楽しく話せた。

そして道山れいんさんの詩の朗読パフォーマンスに感動して、その場で詩集買う。

参加にあたって白黒の服で来てくれとのことなので、白いセーターに黒のチノパンで行ったんだけど、石鍋さんのこの気合い度を見て、もうちょっとなんかして行けばよかったと思ったり。

石鍋さんは僕がアート活動を始めた最初のアートフェアで声をかけていただいて以来お世話になっており、先月大阪で行われたUnknown Asiaで石鍋賞をいただいた。石鍋さんのフレンドリーでチャーミングなお人柄が僕は好きだ。

たくさんのコレクターやアーティストの方々と話せてよかったし、Facebookでも繋がったので、今度ちゃんとお話してみたい次第。

福岡から成田に着き、東京の下町から青山、そして自宅まで、スーツケースを転がしながら横断するように移動しつつ、いろんな方々と話したので、普段は一人でゆっくり過ごしている僕の体力ゲージはほぼゼロとなり、帰宅後すぐに寝てしまう。

 

12月17日(日)
お昼に横浜のgallery fuへ。ここで行われているgift展に僕も参加させていただいているので、ご挨拶を兼ねて見に行った。


代表の鈴木智惠さんは3年前に横浜で行われたコンペの入選展で声をかけていただいて以来お世話になっており、久々にお会いできて嬉しかった。

ちょっと挨拶のつもりがギャラリーの方々との会話が弾みに弾んで気づけば夕方になっているという…。アートを軸にした話題の全方位外交的な広がりはすごいと思いつつ、やっぱり人類とアートは切っても切り離せないものなのだなと思った。

絶対コムロさんと合うからと鈴木さんが、近くで行われている「数理芸術展」という、横浜国立大の今野紀雄先生と学生さんたちによるアート展に連れて行ってくれた。

鈴木さんの言う通り、物理学とアートの関係性に興味がある僕にはドンピシャの展示会で、物理や数学をベースにしたアート作品を見つつ、興味津々で作った学生さんたちの話を聞いた。

時間がなかったので、一通りの説明を聞くだけで終わってしまったが、できれば1時間以上は話を聞いてみたい内容だった。別れ際にいつか一緒に作品を作らせてくださいと今野先生に頼み込んで会場を後にする。

紹介してくれた鈴木さんには本当に感謝。実り多き横浜の午後であった。ちなみにgift展は24日までやっているので、お時間がある方は是非gallery fuへ。

 

その後青山に移動して、友人のアーティストの山内康嗣さんが参加するアートスクエア青山の「ワン!ダフルニューイヤー展」へ。前から面白い絵を描く人がいるなと思っていたけれども、去年Art Brigde FAIR入選展で一緒になって、声をかけてきてくれた人が、その作者の山内さんだった。

最近の彼は活躍著しく、今月はマイアミのアートフェアに参加していてとても楽しそうだったので、作品を見つつ話を聞いた。

展示会後も渋谷のレストランで、アート談義から人生論にいたるまで話に花が咲いた。アーティストの方と話して何がいいかといえば、自分の思想や考えていることを、手加減なしでダイレクトに話せることだ。普通の人相手だとここまでのレベルでは話せないくらいの内容でも、ついてきてくれて意見のやりとりをしてくれる山内さんはさすがのアーティストである。

 

記録を兼ねてアート一色な土日を日記風に書いてみた。

僕は2014年の春にアート活動を始めたわけだけれども、最初の1〜2年は右も左もわからずに手探りな状態だったし、「どうなることやら…」と思いながらの試行錯誤は、我ながら貴重な経験だったように思う。ただここにきてその1〜2年の間の行動や出会いが、繋がって答えとして出てきているのは間違いなく、まさにスティーブジョブズがいったコネクティングドッツ(正しくはConnecting the dots)的なものを、気づかしてくれるような2日間だった。

そしてさらに遡って考えると、子どもの頃からやってきたり、考えてきたことが、こうやって繋がっているのだなと、春に40を前にして「理解」できたことは、まるでパズルのピースがはまっていくような心地よさと、なぜか安心感すら感じている自分がいる。

はまったピースが理解できれば、まだ欠けているミッシングピースも大方予想がつくもので、2018年はそれに向けて新たに試行錯誤していきたいと思っている次第。来年もまた新しいドットを打ち続けるのだ。

それでは皆さん良いお年を。今年はたくさん人と会ってもう満足なので、そろそろ冬ごもりを始めます。

おしまい。

 

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