お正月を一人孤独に過ごしてみた日記
今年の年末年始はワイフと息子は富山に旅行に行き、僕は一人福岡に残って春までに行われるいくつかの展示会用に作品を作る日々を送っている。
正月に一人というのもアレだから、知り合いに声かけて新年会でもやろうかと思ったりもしたけれど、考えてみたら正月を一人で過ごす経験は人生で一度もないので、この際ずっと一人で過ごしてみようかと思いついた。
「クリスマスに一人なのは自虐ネタとして使えるけど、正月に一人はさすがに笑えない」
と友人が言っていたのを思い出す。果たして「正月に一人」というのはどんな気分なのか。
12月31日 大晦日
いつも通り昼頃起きて、とりあえず新年を前に家を一通り掃除する。
その後夜まで作品を作る。休んでる感まったくない。
今年最後の日が沈んでいく。ありがとう2017年。とてもいい1年だった。
ジムで今年最後のトレーニング。家族がいないと夜の時間が本当に自由すぎて、ちょっと戸惑うくらいだ。
夜9時を過ぎてからの福岡の街は、人がほとんど歩いておらず、閑散としている。みんな家族や友人と紅白でも見ながら過ごしているのだろう。それでもスーパーやドラッグストア、あとマックはまだ営業していたし、宅配ピザのバイクも通常営業のようだ。大晦日くらい早めに閉じてもいいんじゃないだろうか。
帰宅して遅めの夕食。うちにはテレビがないので、一人で過ごしていると年末感がまったくない。いつも通り静かな夜は更けていき、何事もなく2017年は終わりを告げた。
1月1日 元旦
いつも通り昼頃起き、いつも通りの静かな部屋。僕は夜型なので、平日でも起きる頃にはワイフも息子もでかけていて静かなのだ。なのですべてがいつも通り。
画材を買いに博多駅にバスで向かう。駅ビルの店はすべて営業していて、今日が元日とはとても思えない。もうなんかいろいろいつも通りすぎる…。
そして博多のハードロックカフェでおせち料理をコーラ片手に豪快にいただく。やっぱ年始めは一枚肉に限るな!
大濠公園に移動して、スタバで読書。これもいつも通りや…。
時間を気にせず好きなだけ本を読んでいられるのは、唯一の一人でいるメリットかもしれん。仕事もないしね。
そんなこんなで日も暮れて、2018年の元日は終わっていった。
人生で初めて、一人で正月を過ごしてみたけれど、寂しさや不便さは一切なく、個人的には特筆的なことは何もなかった。
それよりも強く感じたのが日本のお正月の形骸化だ。お正月定番の凧揚げや羽子板などの風物詩がなくなり、年賀状も書かなくなって久しいけれども、そもそも元日から店が開いていて、僕のような独り者が「いつも通り」何不自由なく生活できるようでは、正月の存在意義すら希薄になっていくだろう。逆にいえば、テレビで紅白見るとか、初詣にいくとか、こちらから自発的に動かないと、もはやお正月にならないことがよくわかった。
日本の文化を大切にしたいならせめて三が日くらいは休んだほうがいいんじゃないの? 福袋売るために元日から働いてそれは本当に「福」なの? とかいろいろ考えてしまうが、まあ日本人がそれでいいなら仕方ない。
僕のお気楽な独り身正月ライフはもう少し続く。
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