Paper Never Die – 紙は死なない。

IMG_2328

iPad miniやKindleが発売され、やっと日本でも電子書籍が普及しそうな雰囲気な昨今。僕もさっそくAmazonで電子書籍を購入して、iPhoneで読んでみた。画面が小さくともサクサク快適に読める上に、辞書機能で言葉の意味を瞬時に調べられたりして、この手軽さと便利さを知ってしまったらもう紙の書籍には戻れないな、なんてことも思ったりした。

ただだからといって「紙や印刷はもうオワコン」なんてことはとても言えない、と感じさせてくれる雑誌がある。講談社から発売されているHUGEという雑誌。

この雑誌の見せ方やデザインセンスは去ることながら(この雑誌のアートディレクターには最大限の賞賛を送りたい)、ドライな手触りの紙と、その紙質に影響された印刷の雰囲気がとても「味があって」いいんだよね。おそらくもっときれいに印刷して安く済ませたければ、他の情報誌のような薄くてペラペラした紙を選べばいいところを、この雑誌はあえて紙にこだわって作ってある。

書籍や雑誌が単に「情報」を伝達するだけのものならば、デジタルで十分だろう。しかしこの雑誌の良さは、紙なしには語れない。紙そのものが表現の一部なのだ。

まあここで理屈を並べるよりも、とりあえず書店とかで見かけたら一度手に取ってみてほしい。

紙の「手触り」、「質感」、誌面の「雰囲気」、そして「におい」。いくら電子書籍が手軽で便利だろうと、小さい頃から「紙」とともに過ごしてきた僕らには、離れられない「愛しさ」を感じるに違いない。

特に今月号のアーティストが撮った日常写真のパートは、写真と紙が最高にマッチしていて芸術本のようになっているので、一見の価値は大アリ。僕は内容も確認せずに即買いしてしまった。(このブログにたまに載せてる「Life is a moment」という言葉はここから拝借しています)

デジタルはまだまだ僕らの生活を良い方向に変えてくれるだろうし、これからもそっちを追求するつもりだけど、それでもやっぱり紙はいい。好きだ。離れられない。

もちろん紙の需要は今後かなり減るだろう。しかしそのぶん紙や印刷の「性質」や「効果」が抽出され、それらに特化した分野で力を発揮するようになるんじゃないかと、HUGEを見ながら思いました。

おしまい。

HUgE (ヒュージ) 2012年 12月号 [雑誌]