ベストミックス始めました(前編)

J-CASTニュースより

安倍晋三首相は2012年12月30日のTBSの報道番組で、今後の原発建設を巡って「新たにつくっていく原発は40年前の福島第1原発とは全然違う。国民的な理解を得ながら新規につくっていくことになるだろう」と述べた。原発新設への前向き姿勢を明確に打ち出した。
原発政策に絡む自民党の衆院選公約は「10年以内に(原発、火発、自然エネルギーなど)持続可能なベストミックスを確立する」としており、安倍首相は、原発新設を認めないとした民主党政権の方針の見直しを明言していた。

 

予想通り安倍内閣は原発推進で行くようだ。
僕は原発反対なので「どうせ原発どんどんやってきたいんだろ!」なんて腹が立ったりもしているが、選挙で日本国民が原子力とともに生きていくことを支持したのだから仕方がない。これが民主主義の健全な姿だ。

それよりも、安倍内閣がエネルギーに関して原発を含めた「持続可能なベストミックスを確立する」と言っていることは重要で、僕らもそれに合わせた「ベストミックス」な生き方を模索するしかない。

僕は今東京と福岡双方に自宅があって、2拠点生活、いわゆるディアルライフを送っている。東京と福岡のディアルライフは快適なだけでなく、とても安心なのだ。例えば九州では同じ国でありながら、地震も原発も放射能もどこ吹く風である。東日本大震災と原発事故や放射能汚染の切迫した空気から逃れたくて九州に来た身としては、正直精神的に助かった。そして最近は首都圏直下型地震やら富士山噴火やらが「近いうちに起こるかも…」なんて物騒な話が続いているので、九州に家があるということはある意味のリスクヘッジであり、安心の担保でもある。逆に福岡で大災害が起こるケースもしかりだ。福岡がダメなら東京に逃げられる。

要するにベストミックスとは、一つに依存するのは危険だから、依存できる選択肢を増やして、どれかがダメになっても、他で補うことができる現時点でのベストな選択肢の集合体のことだろう。

日本で原発が将来にわたって動き続けるなら、日本中で福島のような状態になるリスクは常にあるわけで、住む場所が一つしかなく、そこに依存している状態ならば、仮に近くで原発事故が起こった場合は途方に暮れるしかない。もちろんリスクは原発だけなく、日本は災害が多い国なので、住む場所の選択肢を複数持つことは、普段の精神衛生上の面でも良い(子育てとかしてる場合は特に)。

国がベストミックスを決めるなら、僕らはそれに対応したベストミックスでいくしかない。それはエネルギー政策であろうとも、ディアルライフや移住であろうとも、判断も行動も、かなり時間と労力がかかる部分では同じだ。でもやらなくちゃいけないし、やれば大変だけどあとで必ず身になると、九州に移動して1年たって思うようになった。

後編に続く。