LINEのスタンプ作ってみた記録

5月からスタートしたLINE Creators Market
ここで誰でもLINEスタンプを自分で作って売り出すことが可能になった。面白そうなので僕も試しに作って申請したら、めでたく審査が通り、GW明けくらいから売り出されるようになった。

それから1週間たってみて強く思う。

 

「絵が描ける人は絶対にやってみるべき」だと。

 

特にイラストレーターやデザイナー諸君、技術があるんだから是非やろう。

とりあえずスタンプ作成から販売の過程をまとめてみようと思う。これでスタンプに挑戦してみる人が増えれば本望だ。

 

■やってみた動機

1個(1セット)100円で売り出され、売れればLINEと折半で50円が収入として入る。単価は安くともユーザーが世界に4億人というLINEのポテンシャルを考えれば、大ヒットはせずとも小遣いくらいは稼げるかもしれない。そして一度リリースしてしまえば、その後は手間もリスクもなく売り続けることができる。

これだけ簡単に世界の4億人市場に向けて販売できるなんて、これはスゴイぞ!売れなくても参加だけでもする価値あり!と思って始めてみた次第。

 

■スタンプ発売に必要なもの

スタンプ用のイラスト40個と、メイン画像1個、タブ用のサムネイル画像1個。あとはキャラの名前と簡単な紹介文、コピーライトの文言1セットで申請する。PhotoshopやIllustratorの知識があれば簡単に用意できる。詳しくは下記参照。

ガイドライン – LINE Creators Market

 

■キャラをどうするか

といっても僕はイラストレーターではなく、自分のキャラも持ってない。この忙しい中1からキャラを考えるのは大変だなーと思っていたら、学生時代から今も変わらず僕のノートに登場する落書きがあることを思い出した。

↓これだ。

005

授業や勉強に集中力がなくなってくるとすかさず現れてくるこのキャラ。これこそ僕の20年来の持ちキャラじゃないかw

ただこれだとLINEの公式キャラクターにそっくりなので、何かほかの動物なり物体なりに変えることにする。

ネコとか犬みたいな「かわいい系キャラ」はもう完全にレッドオーシャンなので避けたい。

じゃあちょっときもい系キャラならどうか?

世界中に売り出すわけだから、世界中誰もが知ってそうなものがいい。

「ミミズだ」

004

超ざっくりだけど、こんな感じでキャラを考えた。
恥ずかしがり屋で穴から出られないミミズという設定で、穴から顔を出しているデザインで統一することにする。

 

■スタンプ40個の関門

シンプルなキャラなので、描くのは簡単なんだけど、40個描くのが大変だった。途中でネタが尽きてしまうのだ。その度に他のスタンプを見て、ネタを引っ張ってくるの繰り返し。

しかしこれを繰り返すうちに、各スタンプ共通で使われている鉄板ともいえる表現があることがわかった。コミュニケーションツールゆえ、だいたいどのスタンプも踏襲しているメッセージがある。

これから作る人のために、それを下記にまとめよう。(長いので作る気のない人は飛ばしてください)

こんにちは
さようなら
ありがとう
ごめんなさい
おはよう
おやすみ
はい(Yes/OK)
いいえ(No)
おめでとう
お疲れ様

嬉しい
悲しい
悔しい
良い(いいね)
悪い(ダメ)
寒い
暑い

笑う
怒る
泣く
喜ぶ
ビックリする
ガッカリする
ショックを受ける
落ち込む
焦る
急ぐ
燃える
呆れる
慰める
惚れる
眠くなる
寝る
腹が減る
食べる
飲む
酔っぱらう
風邪を引く
ダウンする
気がつく(!)
疑問に思う(?)
壁の隙間から見る
ダラダラする

思いつくまま羅列してみたが、以上の表現はだいたいどのスタンプにも使われているので、これらを使ってスタンプの数を増やしつつ、いくつかはそのキャラ独自の表現や動きをつけてやればいいと思う。

 

■キャラの名前と説明文

名前とか全く考えてなかったので、けっこうこれに悩んだ。どの国の人でも呼びやすい名称がいいけれども、ミミズという名前はどこかに入れたい。

当時西洋史の本を数冊読んでいたので、ミミズのくせに西洋の皇帝のような名前だったら面白いよなと思い、「ミミズートン・ホセ・フランシスコ3世」、長いので約して「ミミトン」にしてみた。皇帝だけど、恥ずかしがり屋で穴から出られない、そんな説明文も作成。(ただ売り始めてから説明文見たらかなり滑ってる感じなので、ただいま変更申請中。もうミミズのミミトンでいい)

ちなみに名前と説明文は日本語以外に英語表記が必須なので、ここはちょっと日本人にはきついかもしれない。あとから変更することができるので、中学英語くらいの簡単な説明文をとりあえず作っておけばいいと思う。

 

■売り始めてからが「超楽しい」

さて、無事に申請が通り、販売が始まってからが面白い。

まずは早速自分で購入して、ワイフに送ってみる。

003

嬉しい!自分で描いたキャラが実際にスタンプとして機能する喜び!最高!

 

しかしもっと嬉しいのは、そのあとだ。
発売した日の夜に、自分のアカウントページの「売上げレポート」ページを見てみると…

 

お!

001

 

おおおおおお!!!!

002

 

けっこう売れてる〜!!

 

スタンプのことはワイフ以外には教えてないし、TwitterやFacebook等で広報も一切していないから、「友達だから買ってやるか」的な同情票ではなく、僕のことを何も知らない人たちが純粋にキャラを好きになって100円を払ってくれたのだ。しかも20人以上が。

 

感動した…(小泉元総理風)

 

それからは売上げページで数字が増えるたびに「おぉ!」と声を上げる日々が始まった。

ちなみにずっと売上げ1位に君臨している「もっと私にかまってよ!」スタンプは、初日の売上げで「パリ5日間の旅に行けるくらい」の収入があったらしい(→参照)。うまくいけばスタンプで夢の印税生活もできてしまうかもしれない。

さすがに僕のミミズは足下にも及ばないが、それでも毎日のランチ代くらいの収入は入ってきている。売上げは少なくとも、売れたことによる喜びはひとしおだし、これはあのミミズに食わせてもらっているのか、と思いながら食べるランチはなかなか感慨深いものがあるね。

 

■やって損はない

前述した通り、ここまで手間もリスクもなしに、自分の作ったものを発表でき、収入も上げられるシステムは画期的だ。やって損はないし、例え売れなくても体験してみる価値はある。

特に請け負い仕事でストレスがたまっているデザイナーやイラストレーターは絶対やってみるべき。この感覚はやってみないとわからない。とにかくやってみよう。いい体験ができる上にランチ代も稼げると思えば、やらない理由はないだろう。スタンプのイラストはサイズや用途的にそこまでレベルの高いものはいらないから、そこそこ絵が描けて、PNG画像にアウトプットできる技術がある人なら誰でもできる。

そして僕は調子に乗って第2段を作成中である。

 

おしまい。

Mimiton(ミミトン) | LINE STORE

 

関連記事